雑記

ものを書く練習。学びをまとめる場。

overleafのテンプレート設定

はじめに

資料やレポートを PDF にまとめるときに LaTeX を利用される方も多いと思います。

LaTeX は数式などを含む資料でも綺麗に表示してくれるツールです。
別に Microsoft Word でも資料作りには困らないとは思うのですが、個人的には LaTeX を利用した PDF 作成の方が期待した通りに整頓できるため好みです。軽いし。

そんな LaTeX ですが、何が面倒って環境を構築する過程なんですよね。
私の場合は特に、やる気がわいたときに所持している端末でレポートを書いたりしているので、複数端末で環境を構築する必要があり尚更面倒でした。
そうでなくても、PC を買い替えた場合など環境構築をやり直す必要があったりと、地味に面倒。

そんな面倒くさがりのために、オンライン上で LaTeX 編集ができるツール overleaf があります。
私もこの overleaf を利用しているのですが、慣れるまで日本語入力での資料作成に手間取っていたので、個人的におすすめの設定・テンプレートのつくり方をお伝えしたいと思います。

*英語設定で利用しているため、以下で述べる機能の名称が異なる可能性が大いにあります。ご了承ください。

テンプレートプロジェクトの作成

まず初めにテンプレートプロジェクトを作成します。
以下、手順を説明します。気に入らない部分は適宜アレンジしてください。

0. プロジェクトの作成

リンクからサインアップをした後は、左上から新しいプロジェクトを作成します。
今回は全てのプロジェクトの基本となるテンプレートを作成するので「テンプレート」とでもしておきましょう。

1. コンパイラの変更

初期設定ではコンパイラが pdfLaTeX になっているため日本語対応していません。
そのため、左上の「メニュー」から「設定」「コンパイラ」を "XeLaTeX" に変更しましょう。
それ以外の設定は特に触れなくて大丈夫です。

2. main.tex の作成

おそらく初めから main.tex というファイルが存在していると思います。
この中身を以下のようにしてください。

\documentclass[11pt]{article}
\usepackage[top=15mm, bottom=15mm,right=15mm,left=15mm]{geometry}
\usepackage{graphicx}
\usepackage{xeCJK}
\setCJKmainfont{IPAMincho}
% \setCJKsansfont{IPAGothic}
% \setCJKmonofont{IPAGothic}


\title{template}
\author{name}
\begin{document}

\maketitle

\section{}

% \includegraphics[width=\textwidth]{ファイル名}

% \begin{verbatim}
% このテキストは、別のフォントを持つことになります

% This is a verbatim environment with mono-space font
% \end{verbatim}


\end{document}

簡単に内容を説明すると、

  • 「%」がある行はコメントアウトしている
  • 「graphicx」パッケージで図の挿入が可能に
  • 「includegraphics」で実際に図を挿入(コメントアウト
  • 「xeCJK」パッケージで中国語・日本語・韓国語の字が利用可能に
  • 「setCJKmainfont」で本文のフォントを選択
  • 「setCJKmonofont」で「verbatim」タグで囲まれた部分のフォントを変更できる(コメントアウト

みたいな感じです。
残りの部分は本当に好みなので、適宜ググりながら良いと思うレイアウトを探していくのがいいと思います。意外と楽しいし。

3. ディレクトリ fig の作成

別にこれは無くてもいいのですが、プロジェクトのルートディレクトリに図が散らばっているのがうざかったので、私は図を入れるためのディレクトリ fig を作成してその中にまとめています。

例えば、ディレクトリ fig の中に入っている sample.png というファイルを挿入したければ

\includegraphics[width=\textwidth]{fig/sample.png}

と書けば挿入されます。

ちなむと、この \textwidth というコマンド。これが結構便利で、大きめのスクショなど貼るときにはとりあえずこれ指定しとけば綺麗にしてくれる感覚があります。
もちろん \centering するなど、図のサイズに合わせて適宜調整してください。

4. プロジェクトの生成

以上でテンプレートプロジェクトの作成は終了なので、あとはこれをどうコピーするかです。

私が軽く探した限りでは、新規プロジェクトを作成するときに自身で作成したテンプレートプロジェクトを利用する、みたいなやり方が見つかりませんでした。
どなたか詳しい方がいらっしゃれば教えてください。

ですので、私は少々面倒ですが以下の手法を取っています。

  1. まず新規プロジェクトの作成を行うのではなく、テンプレートプロジェクトを開く
  2. その後、左上の「メニュー」から「プロジェクトのコピー」を行う

あとは適当に名前をつければ完成です
少し手間ですが、いちいちテンプレートの内容をクリップボードにコピーして、みたいなことをするよりかは遥かに楽になりました(経験談)。

おわりに

一時期は迷走して markdown から pandoc で PDF に変換して、とかやってましたが普通に overleaf が楽なので気に入ってます。

ちなみになんで XeLaTeX を使っているかなんですが、よくある latexmkrc を作成するやり方では図の挿入が上手くいかなかったんですよね...
結局、図を挿入したいときにコンパイラを XeLaTeX に変更するのであれば、初めから全部 XeLaTeX にすればよくね?という安直思考です。

overleaf で躓いている方の一助になれば幸いです。

参考

Japanese - Overleaf, オンラインLaTeXエディター
Overleaf v2 で日本語を使用する方法